歴代名勝負をお教えしましょう!これぞ高校野球の醍醐味です

私は今、39歳ですが、甲子園での名勝負は、心に深く刻んでいます。なんといっても、桑田、清原を要するPL学園の試合は、印象に痛烈に残っています。私の幼少期の憧れのチームだったのは間違いありません。

私の出身、秋田県の名勝負とは?

その中で、桑田、清原が高校2年の夏は、秋田県人にとっても、思い出深いものとなりました。

対戦は、甲子園の準決勝になります。この年は、秋田県の金足農業高校が、甲子園初出場を果たした年でした。金農旋風は続き、甲子園では、あれよあれよという間に、準決勝までコマを進めていたのです。そして、相手は、PL学園。後にプロ野球に入っても大活躍をする桑田、清原という2人を要していました。

そこに波乱の試合展開が待っていたのです。試合は、2対1で、金足農業のリードで、8回裏のPLの攻撃まで進んでいました。金足農業は先行だたっため、この回を乗り切れば、勝利がグンと近づきます。秋田県にとっても大快挙となります。

そこで、ランナー1人をだして、桑田が打席に入りました。ここで初球のカーブ。今までこのカーブにはタイミングが合わず、全て打ち取られていた、自信のあるカーブでした。

桑田は強振し、打球はレフトスタントポール際へ。審判の判定は、ホームランでした。でも、このホームランは、ポール際ということもあり、ファールという説もありました。秋田県内では、幻のホームランといういわくつきの試合となったのです。惜しくも、2対3で、PL学園に負けてしまいましたが、秋田県に残る名勝負となったのです。

伝統校同士の決勝戦の魅力

甲子園は、こういった名勝負が多々繰り広げられています。最近は、熊本工業対松山商業ちう伝統校同士の決勝戦も印象的です。
松山商業の監督が、9回の土壇場、一打逆転の場面で、ライトの選手を変えました。見ているこちら側からすると、ライトだけをなんで変えたのか、わからない状況でした。しかし、次の瞬間、その理由が明確となるのです。

ピッチャーの投げたボールをバッターが強振。その打球は、ライトへと飛んでいったのです。しかし、タッチアップでランナーが帰るとサヨナラ負けという場面です。その試合は、変わったばかりのライトの選手のバックフォームのプレーに託されました。

思いっきり遠投し、そのバックフォームはキャッチャーミットへ。送球は上の方でしたが、キャッチャーがうまくタッチし、タッチアウトとなったのです。変わったばかりの選手のバックフォームには度肝をぬまれました。そして、預言者のごとく、ライトの選手だけを変え、そこに打球が飛んだという現実には、鳥肌がたったことを覚えています。
松山商業は、このプレーいき、優勝しました。この試合も、心に残る名勝負でしたね。

プロ野球からの注目選手が多く集まる甲子園大会ですが、そうでない選手が、きめ細かい野球で勝ち進むチームも魅力があるものです。今年の大会は特にそうでした。大阪桐蔭と決勝を戦ったのは、三重高校。そして、敦賀気比高校や、健大高崎、日本文理高校等のチームが上位に進みましたが、いずれも、プロ野球注目選手というよりは、大学や社会人を経験してから注目できる選手が多かった印象です。でも、そういったチームから、プロで活躍する選手が現れると、「あの時の、あの選手か」ということになり、感慨深いものがあるのです。こういった年の甲子園もまた、魅力的になのです。