平等化してきた力関係。今後の甲子園展望を教えましょう

今年の甲子園大会は、北信越の高校が大活躍しました。特に、新潟県や、福井県の代表が大活躍しましたね。最近では、青森県代表が、2年連続で夏の甲子園の決勝にコマを進めました。岩手県も、西武の菊池投手や日ハムの大谷投手を輩出し、強豪県へと上りつめています。

近年は、その地域格差もなくなり、甲子園での大差での試合も、なくなってきている印象です。その要因はなんでしょうか。掘り下げて見てみましょう。

近代野球がここにあります。高校生のレベル向上の訳

私の幼少期は、雪国の東北地方と、関東や関西の高校では、大きな力の差があり、なかなか勝ち進めない状況でした。冬場は、雪に閉ざされて練習もままなりません。冬季の間に、打撃練習や、守備練習が、雪のないグランドでできるというのは、これぼ度までに差ができるものかと思ってしまいました。

また、野球に対する情熱も違いました。東北人特有のおとなしく、お人好しの性格は、勝負事に対しては、マイナスに作用してしまいます。そこでもまた、いざ勝負となったとき、気後れをして、大差の試合展開となってしまっていたのです。

しかし、昨今では状況が一変しました。野球設備の充実もあり、冬季間でも、野球の練習が続けられるようになったのです。室内練習場も、私立の高校はもとより、県立の強豪校にも設備されるようになりました。そして、一年中、土の上で練習ができるようになったのです。特にバッティング技術は、飛躍的に上達しました。今の高校生は140K程度の速球ですと簡単に打ち返すことができます。そして、変化球も、バッティングマシーンでも対応できるようになり、打ち込みも可能となっているのです。力の差が段々と縮まっている背景には、この、練習環境の変化が一番影響しているといえるのです。

野球留学で、及ぼす影響とは

そして、野球留学のことにも触れておくべきでしょう。強豪私立高校には、他県の選手も多く在籍しています。硬式野球を扱う、ボーイズリーグ出身で実績を上げている選手は、色々な高校からのスカウティングを受け、待遇や、設備が整った高校を選択して進学をするのです。まさにプロ野球と同じようなことが、中学生を相手に高校でも行われているのです。昨今、実績を上げている青森県の高校も、基本的には関西出身の選手が多いです。関西出身の選手は、まずは甲子園に出場して、自分を売り込もうと思っているので、出場できるチャンスが大きい県を選んで、高校に進学するのです。青森県は、地元の子供たちだけでは、おおらかすぎるので、この関西出身の選手を血をいれて、勝負師としての気持ちを植え付けようとしたのです。最近になりそれがようやく実績として残るようになりました。青森県も強豪県の一つとして数え上げられるようになっています。

こういったことは、宮城県や山形県、岩手県でも同じようなことがいえます。東北地区の大会をみても、そうそうたる県の代表が集まりますが、地元出身中学をみてみると、地元の選手がなかなか出てこないことがわかります。特待生の問題で、数年前よりは、地元優先になってきていますが、地域差をなくした選手とスカウティングはいまでも続いているのです。

練習設備の改善と、選手のスカウティングが融合し、今では、甲子園優勝もどの県にも可能性が出来きていると言っていいのです。